はじめての宇都宮で半日餃子ツアーの巻

いざ宇都宮

完全防備昨年末の M-1 グランプリで U字工事によって一躍脚光を浴びた北関東の流刑地・栃木に行ってみようと思ったんです。わりとふいに。じゃあどこにって、うーん日光は小学生の頃行ったし、ならここは宇都宮かなと。「トシ、餃子食うか?」と。僕は神奈川生まれの東京住まいなんですけども、それこそ今までに北海道や沖縄に行った回数を足すと群馬栃木茨城のそれよりずっと多いという、典型的な南関東(かつ HIP-HOP)育ちでして、正直この地球号関東支部の一員としては褒められるようなパフォーマンスは発揮できていなかったし、むしろ白地図をそらで埋めていったときに栃木と茨城を最後まで残してしまう自信すらあるわけで、これでは天国の親父に申し訳が立たないと一念発起。マジカルバナナを20回やったら20回とも「宇都宮といったら宇都宮ラッパー」という返ししか思いつかない自分を CHANGE するために、よりにもよって大晦日をチョイスし、美味しい餃子を求めて一人電車に乗り込んだのでした。

1軒目:みんみん

ヤキ@宇都宮みんみんパセオ店午前10時に宇都宮に到着するなり駆け込んだのは『みんみん』。みんみんって響きにはどことなくビビアン・スーを思い出させる力があります。かつて僕たちが愛したビビアン・スーとは何だったのか。ずいぶん前の韓流ブームにせよ、少々前のなまりブームにせよ、つい最近のおばかブームにせよ、その全てはかつてビビアンが切り開いた道筋をちょっと味付けを変えつつなぞっただけのものだと思っているし、その他にも「実は楽屋では日本語ペラペラ」というキャラ付けは安田大サーカスのクロちゃんも大いに参考としたに違いないし、めっきり姿を見なくなったとはいえ、今でもビビアンの影響はテレビのそこかしこに見受けられます。どうやら現在はタイミングを母国・台湾に見出して活躍中のようですが、彼女が日本に残した足跡の大きさは計り知れないし、もっともっと評価されてよいのではないでしょうか。それにしても、僕自身ビビアン・スーにはこれっぽっちも思い入れがないのですが、意外と色々書けるものですね。ここで食べられるのはそういう餃子です。

みんみんの外観

宇都宮みんみんパセオ店

(2008年12月現在)

2軒目:宇都宮餃子館

シソ餃子他@宇都宮餃子館駅前中央店休憩なしでそのまま『宇都宮餃子館』へ。じゃあだって宇都宮に餃子を食べにきているのに宇都宮餃子館へ立ち寄らない、というシナリオをあなたは描けるのかっていう話ですよ。王道を外すことがツウみたいな世の中は本当に変えてやりたいと思っていて、そして何よりも2009年は「チェリー☆パイ」をどう受け止めるべきなのか問題がいよいよ本格化してくるわけじゃないですか。どこまで本気で鼻を伸ばして前のめりになっていいのか、日本中の男子が空気を読もうと必死なんですよ。だって一歩でも間違えたら周囲からの大失笑大確定なわけで、ギリギリの攻防という意味では HALCALI 以来と言ってもいいですし、特に思春期な世代にとっては今後の学生生活に重大な影響が出かねないビッグな分岐点なわけで、このチョイスをミスったらあの娘が「物好きが好きなヤツ」のレッテルを貼られてしまうことになり、手をつないで登校することはおろか、上履きを隠された末に帰りの会が長引く可能性が飛躍的に増大することうけあいです。ここで食べられるのはそういう餃子です。

宇都宮餃子館の外観

宇都宮餃子館駅前中央店

  • 住所:栃木県宇都宮市駅前通り3-1-5
  • 主なメニュー:スタミナ健太餃子・ニラ餃子・ニンニク餃子
  • 定休日:年中無休

(2008年12月現在)

3軒目:正嗣

ヤキ&スイ@正嗣宮島店午後1時30分の開店を待って餃子専門店は『正嗣(まさし)』へ。世に星の数ほどある専門店の中でも本当にソレしか出さない! という姿勢を貫いているお店もまた数多あるとはいえ、「ビールもご飯もメニューになし!」という横暴なアティチュードはビールのダーリン・ご飯のハニーとも呼ばれる当の餃子の完成度が極限にまで達しているがゆえに拷問に等しいといってもよく、大晦日にできた行列はみな苦行僧のような面持ちでした。美味しい、美味しいがゆえにご飯が欲しくなる、しかしそのご飯がない。少し表現の仕方を変えると、本番のみで構成されたオムニバス DVD が決してメインストリームたりえないことを身をもって世に問うているお店、それが正嗣と言えるのではないでしょうか。たとえ途中でニュースをお送りされたとしても前戯シーンは必要だと思いますし、あとはっきりさせおきたいんですが、大沢あかねをあえて一言で例えるなら「企画モノ」ではないでしょうか。バドミントン選手だとオグじゃなくシオの方です。ここで食べられるのはそういう餃子です。

正嗣の外観

正嗣宮島店

  • 住所:宇都宮市馬場通り4-3-18
  • 主なメニュー:焼餃子・水餃子・冷凍餃子(持ち帰り)
  • 定休日:不定

(2008年12月現在)

ごちそうさまでした

正味5時間という短い滞在時間の中ではありましたが、無理なく無駄なく無難な食べ歩きコースだったと思います。あと親父はまだ生きてます。

Oisix 焼餃子

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