フラガールとパフレディ

「泣ける」と噂の『フラガール』を観てきたので感想を書きます。本編には一切触れないつもり。
この映画の感動の軸は蒼井優さん(21)と松雪泰子さん(33)の言わば女の戦いにあって、舞台のシーン以外ではほとんど素肌と言ってもいいくらいの蒼井さんの天然と、それを2センチ厚のメイクを塗りたくって必死に跳ね除けんとする松雪さんの意地がぶつかり合う様子は見ごたえ十分でした。フラガールたちのリーダーである蒼井さんとその先生である松雪さんですから、自然交互にスクリーンに映し出されることもしばしばだったのですけど、蒼井さんが生春巻きの皮なら松雪さんは大福の皮、オブラートならコピー用紙、ウスウスコンドームならウルルン滞在期とかでよく見かけるあのサック状のやつくらいの違いがある肌が順繰りにアップになるたびに「もういい……! 松雪もういいから……! お前はよくやった……!」と何度感極まったかわかりません。また、フラガールという役柄上おへそから二の腕からわきの下まで大サービスの蒼井さんに対抗するかのように常時長袖着用でヒジすらほとんど露出せず、手を出すな! と言わんばかりの高めの女を熱演する松雪さんの執念にも似た思いがビンビン伝わってきたことも、涙腺を強く刺激した一因でした。そして大団円のエンドロール。

ヘアメイク
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ヘアメイク(松雪担当)
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この瞬間、目が腫れるくらい泣いた。

フラガール

フラガール

それにしても、蒼井優

From 優なんというか、不思議な人ですよねえ。全力で褒めていることを前置きした上で話を進めますけども、なんていうか、「美人としかいえない顔」っていうか。劇中でもひどい訛りに全然違和感のない田舎くさい表情だとか、ふと横を向いた瞬間にリッツが4枚くらい乗っかりそうなしゃくれを披露してくれたりするのですけど、じゃあ「ブサイク」かっていうとそれは全力で違う。それならなんて形容すればいいんだろうって考えたときに、僕らの知ってる顔面カテゴリ(たとえば「キュート」とか「野暮ったい」とか)に当てはめてはこれは違う、これも違うってやっていくと結局「美人」しか残ってないっていう感じ。小雪さんあたりも、そんなイメージがあります。
そんで蒼井さんのおっかないところはスポットの当たるここぞというシーンではこの世のものとは思えない絶世の輝きを放ってたりするところで、その美しさには正直お口あんぐりしてびっくりする。オーラを消せる女優として柴咲コウさんという人がいて、この人も美人顔をまるで感じさせない、むしろブサイクにすら見える工場の事務員役がハマっちゃったりするわけですが、これは「技術」によるところが大きいと思うのです。蒼井さんはそれを天然でこなしちゃってるイメージ。末恐ろしいにもほどがある。僕なりの言葉で定義すると、見飽きない美人だと思った。

余談

あとどうでもいいけど炭鉱夫役の豊川悦司さんが映るたびに缶コーヒーが飲みたくなる映画でした。