OTONAGE-NAI

ひとぬりで、おとなげないほど透明感。
おとなげないと言われる伊東美咲蛯原友里伊東美咲に「おとなげない」とむくれる CM が放送されてますけども、これ、面白いですよね。元来僕たちは小学生のボールを本気でかっ飛ばしたり、スライム相手にギガデインのコマンドを打ち込んだり、受験生に腹を殴らせたのに痛かったからって本気でビンタし返したり、そういう巨大なパワーを圧倒的弱者に全力でぶつける行為を「おとなげない」と呼んできたわけです若干揶揄しつつ。
ですが今回の蛯原友里が使う「おとなげない」を読み解くと、「ただでさえ私より美人な伊東美咲さんが資生堂のファンデーションを使ったら、逆立ちしたって勝てるわけないじゃないですか」という、鬼に金棒っぽい使い方で反語メソッド*1を発動させ伊東美咲を褒め殺しています。この台詞のあまりのキャッチーさに視聴者は瞬時に二人の間の越えられない壁をイメージし、蛯原と一緒にため息をついてしまい、「お前だって十分美人じゃん」という本来しごく当然のツッコミが出てくることはありません。
僕ぁこういう言葉遊び CM が美人の次に大好きです。おとなげないって褒め方が流行るんじゃないですか。「イチロー おとなげない! 2発4安打」なんてすでにどこかのスポーツ新聞が書いてそうな気すらします。個人的には『がんばっていきまっしょい』で甘酸っぱい片思いばく進中な乙女を演じる相武紗季ほどおとなげない女子はいないと思います。もっと通行人 A とかそういう適当な役にすればいいのに。毎週クラ死に(くらじに)しそう。

*1:そんな伊東さんに私が敵うだろうか、いや、敵わない。