クリスマス・ペプシ・クリスマス

女の子だけでイブしない?お世話になっております。早速ですが、現在放映中はペプシネックスのクリスマス CM が恋愛ムード一色な日本のクリスマス商戦の胸元に鋭い変化球を投げ込んでおりますけども、アメリカ本国では小さな子供が自販機の前でコカ・コーラ2本を踏み台にしてペプシのボタンを押してしまうような CM を平気で打って(ぶって)しまうくらいとても気性の荒い、敵がい心にみちみちた、銀の松山千春ことペプシマン精神を胸に宿した企業のコマーシャルだという事実を差し引いてもなんかこう、もやもやした気持ちが拭えないのです。いやもちろん彼らのメッセージは一見しごく単純なのですけど。

妻夫木聡
「クリスマスって恋人を喜ばすのもいいけど家族を喜ばすのもいいと思います。今年父の日とか母の日とか忘れてた人、チャンスだったりして」
沢尻エリカ
「女の子の皆さん、恋をしてるしてないにかかわらず、今年は女の子だけでイブしない? パンチの効いたオシャレして? 女の子時代の思い出を、ゼロカロリーとともに」
福山雅治
「クリスマスだからって誰かと過ごさなきゃいけないってわけじゃない。一人分のチキンと一人分のケーキで、一年分の自分に乾杯ってのもアリだな」

これを「これだけの美男美女たちが恋人以外の誰かと過ごすクリスマスにスポットを当ててくれた功績は計り知れない!」と諸手をあげる人がもしいたとしたらその両脇をくすぐりながら話を進めますけども、この CM ってばまずもってクリスマスは当然恋人と過ごすものだという前提で話を進めているあたり実は相当にヘヴィーで残酷な設定になっていて、そういう事実に「我輩は仏教徒であるからして云々」と目をそらしてきた人間たちに往復ビンタ(ないしは謎の小袋70袋)を喰らわせているも同然で、しかも妻夫木聡に「家族か恋人」「一人か恋人」という2択はありえても「一人か家族」という2択は絶対にありえませんからね。つまり「家族・同性・一人で過ごすクリスマス」なんていうのは選べる側の人間の余興に過ぎないんです。それもきっと今年限りでしょう。2007年の気まぐれですよ。そう、クリスマスは命よりも重い……! そこの認識をごまかす輩は生涯地を這う……!
そんなことを確認するために、いつもより強めにキーボードを叩いてみた、というわけです。