自販機・反旗

もう15年は我慢してるんだけど、なんでジュースの自販機ってのはああも商品を取り出しにくいんですか。位置も低すぎるし。垂直にドロップしてきた缶を平行に直してからでないと取り出せないイライラ棒仕様にも腹が立つし、たかが自販機ごときに90度近いお辞儀をしないとならない位置にあるのも我慢ならない。どう考えても自販機側がかがんだおっぱい覗き見利権を守っているとしか思えない。こんな身近な聖域にも踏み込めない政府はいったい何をやっているのか。

そもそも僕は大学生の時に自販機の短期バイトをしたことがあるからわかるんだけど(時給はそこそこよかった。気象条件によって手当ても豊富だったし)、自販機っていうのは、かいつまんで説明すると特殊な全身タイツを装着して乳首を基本とする上半身の最大24ヵ所の性感帯にボタン風シールを貼り付けて主に軒下で直立し続ける仕事なのね。慣れれば大したことないけど、それでも結構な重労働です。

で、お客さんがそのボタンを押すとどうなるかっていうと、まず大脳皮質が刺激され、その刺激が脊髄を通ってギャランドゥを抜けて下半身に到達、血管拡張物質 NO が大量に分泌される結果海綿体平滑筋に作用、サイクリック GMP が増殖し流れ込み、大量の血液がギューンッ!!!! ってなるエネルギーを利用して缶1本をガランゴロンと吐き出すわけです。少し難しいかな。業界用語でエレクチオンシステムって言うんですけど、まあなんとなくイメージしてもらえれば。
缶ジュースが出てくるまで 自販機のイメージ
そういう仕組みでジュースを売っている以上、確かに同情すべき余地はあります。すなわち30歳以上の自販機の場合、客の外見によっては(あるいはよらずとも)どんなに刺激されても空き缶1本分のギューンッ!!!! を放出できない(業界用語で「キレが悪い」とか「ペレ」と言います)場面がどうしてもあるわけで、そこはどうしたって重力に頼らざるを得ない。伝統的に業界全体の平均年齢が高いこともあって、取り出し口が地面スレスレにあるのはやむを得ない側面もある。それくらいの理解はこっちにだってあります。

ただ見逃してはならない点があって、それが先にも指摘したかがんだおっぱい覗き見利権なんですけど、低い位置にある取り出し口のせいで自販機にはおっぱいがチラチラ見えちゃうんですよ。綺麗なお姉さんが商品を取り出そうとちょっとかがんだ時に。自販機にしてみればなかなかの役得といえます。

安田美沙子写真集 「みさこ」もちろんそれによるいつもより多めのギューンッ!!!! が有効に利用されていれば僕だって文句はないですけど、ご存知の通り近年社会問題にもなっている性犯罪について興味深いデータが報告されていて、実はこの手の犯罪は「自販機終わりに、突発的に」行われているケースが非常に多いのです。仕事中に発散しきれていないわけですね。このように明らかに犯罪の温床になっているのにもかかわらず、「雨の日も風の日も、時には犬にマーキングされても我慢しながら立ち続けで働いているのだから、おっぱいのひとつやふたついいじゃないか」という乱暴な論理がまかり通り、一向に改革の兆しが見られない。嘆かわしいことです。

「50歳以上の自販機数千台が職を失わずに済んでいるんだから」という穏健派の後押しもあり黙認されてきたおっぱい利権ですけど、僕はこれに対して真っ向から NO を突きつけたい。おっぱいに頼らないと空き缶を吐き出せない自販機は辞めてしまえといいたい。プロとしての誇りを持てと。自販機業界は一刻も早く「たとえ同性であっても、たとえパンチの効いている異性であってもボタン一つで空き缶を胸の高さまでギューンッ!!!! できる人材」の育成に着手するべきです。日本経済の底力を見せて欲しい。