「ドS」の歴史

数年前に放送された松本一人ぼっちの廃旅館1泊2日の旅を DVD でぼんやり見返していたんですけど、当時からその攻撃的な性格で名をはせていた浜田雅功がとりたてて「ドS(ドエス)」と強調されていないことに気づきました。僕の(よく誤作動する)脳みそで思い出すに、数年前までは松本人志だけが舞台の上で浜田のことを「ドSドS」と称し、それは若干言いすぎなボケとして観客に処理されていたような気がします。それが今ではお茶の間の僕らも当たり前のように「浜ちゃんはドSだよなー」なんて言ったりする。
これはもう間違いなくレイザーラモンHGの功績だと思った。ちょっと前までのバラエティは「どっちかと言ったら S かな?」的なトークに終始していて、「ドS」なんて単語はどうしても性的(鞭的)なイメージが残ってしまう取り扱いの難しいもので、よほどの罵倒かよほどの自虐においてしか成立しなかったはずです。そんな「ドSボーダー」をフォーーーーーーー!! と HG が(ハードでゲイですよ)突き抜けてしまったおかげで、いまや「ドS」なんてちっとも夜の香りがしない、むしろキャラが立ってるという意味の誉め言葉になりつつあるというわけです。
実際その影響はアイドル方面にも及んでいて、『月光音楽団』の山本梓久保田利伸に「ドS」が5回も6回も入った自己紹介ソング(!)を制作させるなど、すっかり「ドSの姉さん」としてキャラを確立しつつあります。僕はこれ、かなり時代の波に乗っかっていて、相当期待できる戦略だと思ってます。すごい勢いで伸びてくるはず。
そうなってくるとあとはもう今後どういった形でドMを自称すると称されるキャラがあらわれるか、という点に興味は絞られるわけですが、考えてみるとM方面は杉本彩が独自のフィールドを展開中なので少し難しいかもしれません。こうしてみるとやはり芸能界の「○○枠」ってのはホント熾烈な争いが繰り広げられているなという話。