人志松本のすべらない話3

今回も感想文を少し。

前回の感想

第一回で The Man くんが指摘していた気持ち悪い間は今回かなり改善されたようですし、 tragedy さんの言う窮屈感を脱するにはメンバーの入れ替えを含めて鮮度と質の高いすべらない話を番組側が用意しなければならないでしょうが、第二回で示されたとおり場合によっては素人でもぜんぜんいけるはず……(後略)

今回の感想

誰にでも一つは、すべらない話をもっているものである。
そしてそれは誰が聞いても、何度聞いても面白いものである。

どう受け止めるかは人それぞれだと思うのですけど、個人的にはやはりこのキャッチコピーこだわって視聴したい。前回の感想にも書いたとおり、この番組のすごいところは実話のオモシロ話の威力を再確認させてくれた点にあったと思うからです。そういう立場から考えると、色々引っかかりの残る放送ではありました。
いくら奇妙キテレツな実話とはいえ、話し手によって「すべる可能性」が十分に秘められている体験談を実力ある芸人の話芸ですべらない話として成立させるその様を見るのはいちバラエティー好きの視聴者としては快感すら覚えますし、その話の後に松本人志とプライベートでも親交の深そうな若手芸人たちがひとつのテーブルを囲んでわいわいと楽屋で談笑しているような画を見ることができるのもまた贅沢な体験だとは思います。この点ひとつ取っても数あるトークバラエティーの中でも抜けた存在だと賞賛するにやぶさかではありません。
ただ誰にでも一つは誰が聞いても、という部分に多少なりともこだわりを持つとき、メンバーの固定化*1および河本の姉のような話のシリーズ化*2は、通常のバラエティでは超大歓迎な事態なのでしょうけど、この番組にかぎっては僕はあえて NG と言いたいのです。極端な話そこらへんを歩いているおっさんの話でも爆笑を抑えられないのがすべらない話だと思うし、第2回で複数の芸能人と素人がオーディション形式で登場したのは制作側にも少なからずそういう意図があったからだと思うのですけど、結局「どんなに素材がよくても料理人の腕がないとダメだ」と第3回では再びスタジオの8人だけにスポットが当てられた。非常に正しい判断だったんでしょうけど、ちょっと寂しいです。
こうなってくると松本人志以外のメンバーをオール入れ替えし、最強のすべらない話を持ち寄った芸人たちがただ一度のチャンスにかけて緊張に震え変な汗をかく第4回が第一希望ですけど、こんなに贅沢な注文のできるバラエティ番組は他にないのでそのままでいてくれれば十分です。わーわーゆーとりますけど結論はひとつ。おもしろかった。以上です。

*1:同じ人の話でも面白さに差が出てくる

*2:一連の話を知っていると笑いが増幅されるが、そうでない人には未知数