92年「エイズ事件」

92年9/10月号・連載第161回より

「俺は言われたとおり10人の女とやった。(中略)エイズ検査を受けたら陽性だった。こうなったのは先生のせいだと思っている。俺は8年以内に死ぬだろう。それまでに先生が責任を取ってくれるとかしないと、俺が先生を殺してしまいそうだ。なんとかしてくれ!」
その慟哭に近い問に対して、(北方謙三)氏は「筋違い」と「出家」のデカ字で一蹴

92年10/25月号・連載第164回より

「ボロボロになって帰還した友人に対して、何故悪かったの一言が言えないのか!?」と読者から反論。それに対して氏は、「お前の手紙を読みながら、俺はダラダラとばかりに汗をかいたよ。お前の言っていることに間違いはないのだからな。けれども聞いて欲しい……」とおよび腰。とりあえずの再反論を展開しているものの、「俺は今、果たしてこの欄をやっていく資格があるのかどうか」と自分自身に問い直している。