エロスなルージュに伝言

「明日、早いんですか?」という男子のギラついた(ことを全力で噛み殺した)問い掛けに、あたしにはこう応える価値があるから……と言わんばかりの笑みを浮かべながら「明日、早いんですか?」とオウムのやうに復唱する伊東美咲さんが何度見てもおっかしくてしょうがないのですけど、さらに間髪を入れずに「エロスなルージュ。」なんてえ面白ワードを繰り出されたらもう卒倒しておなか見せて寺門ジモンに心臓マッサージをしてもらいながらお茶をピュッピュッっと吹かずにはいられなくて……夏。
微妙な距離でけん制しあう二人
まずねー、僕ら庶民、というか伊東さんのようなステージの違う天上人にとってのこの世にはびこる99%のしもじもの者たちの一人として素朴な感覚を言わせてもらうなら、ああいう場面でああいうやりとりをするとしたらまず「この後時間ありますか」とか「終電近いけど……」みたいに今日の終わりについて思いをめぐらせるのが一般的じゃないですか誘い手も受け手も。口に出さないまでも建前としてそこは気を遣ってるニュアンスってのが必要になってくる。
ところがどっこい件の CM の二人は(公式設定がどうかはともかくパッと見)今いるお店で偶然出会っただけの間柄であるにもかかわらずそういう感覚が一切欠落していて、いやむしろあえて省略して明日の始まりを見据えることができるかどうかがいいオンナかそうでないかの分かれ目なのだと言わんばかりで、つまりみもふたもない言い方をすれば声をかけられた瞬間に今夜のパツイチ前提で出てくる台詞が「明日、早いんですか?」であり、そんな美咲のルージュはエロスでしょっていう。ばばばばっかじゃねーの?
エロスなルージュ。
とまあ僕の感じたおっかしさの源泉を辿るべくお話させていただきましたけども、これによって似たような(3分の1の純情な)感情を抱いていた人のもやもやを一人でも多く晴らすことができたなら素敵やんって。思った日なので日記を書きました。日記というかブログというか、もう学年だよりとかでいいや。プリントアウトして親御さんにも見せてあげてください。