佐藤君へ。佐藤君、高2の夏の校内合宿の日、バレー部全員で画策した女子更衣室への侵入にあたり、たまたま誰よりもテンションが上がってしまい、広末涼子似のあの娘のリップクリームをほっぺたに塗りつけてしまったその行為を突破口に、全ての罪はお前にあると言わんばかりにはやしたて、泣かせてしまって、本当に申し訳ありませんでした。実はあの時、彼女の使いかけのポケットティッシュをこっそりポケットに忍ばせるという、その場のおふざけで済まされない行為に人知れず及んでいた僕の方こそ泣かされるべきだったのに……。佐藤君。ごめんね。