新生広末涼子

広末涼子広末涼子、浄化計画」っていう CM の第一印象について記しておくと、正直あまりの驚きに腰が抜けそうになったんですけど、つまり「ちょっとブラックユーモアにすぎる」って。コカ・コーラさん調子乗りすぎたんじゃないかって。最初はそう思いました。

いや、つまり結婚して子供産んで第2の女優人生を歩み始めた広末さんのスタートライン的な位置づけがこの CM なんです! みたいな出演交渉が行われたことは想像に難くないし、実際その辺りを狙った CM なんだろうなあとぼんやり眺めている視聴者もたくさんいると思う。ただ、誤解を恐れずに書けば広末さんの結婚・出産ってのが世間的にどういうイメージで捉えられていたのかというと「昼はアイドル業のかたわら夜は奇行を繰り返し(その様は和田アキ子に「したくてたまらない時期」とまで評され)、あげくそこらへんで見つけたオトコマエの子供を身篭ってそのまんま入籍」っていう、真実はどうあれクレアラシルDoCoMo のポケベルの CM で脚光を浴びていた頃の清純なイメージはお世辞にもなかったわけです。この「浄化計画」って言葉の響きはその辺りの黒歴史を想起させるのに十分で、何も僕ほど性格がひねくれてなくてもピンと来ていた人は多かったんじゃないかと思う。

そんなことを考えながら CM 情報を斜め読みせんと検索エンジンをブルルルンと起動させて徐行運転していたんですが、こんな記事が目にとまって慌ててポンピング・ブレーキ。

デビュー以来、ピュアな印象で絶大な人気を得る一方、奔放に映る行動でバッシングも受けた。多忙な芸能活動で自分を見失い、強いストレスを抱えた時期もあった。同キャンペーンは、老廃物や毒素を除去する同飲料のアピールポイントと、広末が精神的な“毒素”を抱えているのではというイメージを巧みに組み合わせたものだ。

CM の第一印象に「腰が抜けた」という表現を使いましたけど、この記事にはすっごいよー腰が都庁まで飛んじゃうよーって感じで、広末さんサイドは全てを受け入れ理解した上でこのキャンペーンに臨んでいたのですね。いくらなんでも聖母すぎる。コカ・コーラ側にしてみても前段で僕が感じたようなブラックさを裏テーマに据えるつもりはまるでなくて、広末ビル(仮名)にふんどし一枚で乗り込んで「あの時期は何か毒でも回ってたんですよね」っていう超ド直球交渉を行ったことになるわけで、中西球道にもほどがある。あっちゃんよりカッコいい。
正味の話復帰以降もう随分時間も経っているし、また資生堂「ツバキ」の CM に錚々たる美髪メンバーの一員*1として名を連ねたりと精力的に活動していることもあり、すでにわざわざ「浄化」するようなネガティブイメージが残っていたかっていうとかなり疑問で、このままひっそりとパンドラの箱にフタをしてしまえばそれでよかったのではないかと思わなくもないんですけども、それでもなお過去をきっちり受け止めてから再び歩き出そうとするこの姿勢? そう。そんな姿勢に YAZAWA は感動したね。
日本中が Maji で Koi したアイドル時代を経て、そのアイドルとしての暗黒時代を経て、今の広末さんは女優としての第二黄金期への道程をしっかりと見据えているのだなと思った。