明治四姉妹における KYON2 問題の考え方
「ポッキー四姉妹はなぜ全員美人だったのか?」もっと突っ込んで言えば「グリコはポッキー四姉妹をキャスティングするにあたってなぜ一人ハズしてこなかったのか?」という問いに対するひとつの答えとして、茶色の食品であるチョコレートを扱うにあたって日本語における比喩表現であるミソだとかクソというフレーズが脳裏をよぎらないように配慮したからである、という話を前回おおざっぱにしました。
それでは今日はグリコとは逆に、四人組を新設する際のセオリー通りにきっちり一人ハズしてきた(HITOE らせてきた)明治ミルクチョコレートの最新 CM について考えていきましょう。テーマは木下優樹菜・広末涼子・小泉今日子・森三中村上という四人を横一列に並べるときの考え方、です。まずは実例を眺めてみましょう。
- ホームページ等
- ポスター等
では順を追って見ていきます。本当に基本に忠実であることがわかると思います。
考え方
以上を踏まえ、KYON2 テーブルを書き出してみる。
ウィー・ラブ・ピュア・オア・ダイ
「四人寄れば一人がヒトエ」などという格言もありますし、ありふれた戦略ではあるんですけども、さすがにチョコの CM でミソとクソをごちゃ混ぜにするような人選はちょっとアグレッシブすぎるんじゃないかと思った。
無人島漂流のバナナマン
「波瀾爆笑」でバナナマンの半生を振り返っているのをチラ見したんですけども、この二人ったら僕の印象ではちょっと意外なほど画面の外でも仲が良いらしくて、一時期は「日村さんがマイカーで設楽さんの家にお迎えにあがり、設楽さんの娘とジャレるのが日課」だったっていう、なんともほほえましいエピソードを披露しておりました。いい話具合では上田さんの姪っ子と遊ぶために単身熊本に飛んじゃったりする有田さんと双璧。
あと設楽さん曰く「日村はオレの嫁が大好き」で、それを微塵も否定しない日村さんは、かつて設楽さんの彼女だった奥さんと3人で食事をした時に、設楽さんを目の前にしてこんな質問をしたんだそう。
- 「じゃあさ、もし無人島に流されちゃって、自分の他に設楽とオレしかいないっていう状況になったら、どっちを選ぶ?」
- 「前提おかしいだろ。無人島行かなくてもオレのこと選んでんだよ。なにちょっと無人島に行けばなんとかなるみたいな空気出してんの」
このバカポジティブっていうか、「なんだか今日イケそうな気がする話」ってなんでこんなに面白いんですかね。バカポジは偉大です。こんな時代ですし、天津木村さんの詩吟だっていつまで聞けるかわかりませんけど、もっともっとバカポジを愛していきたいと思った。
加賀美セイラマン
ものっすごい伝わりにくい話だと思うんですけど。
Kanebo「freeplus」の CM を……
♪ちゃーんと やさしく もっと うるおう うーんと キメキメ ザッ!
思いだすといつもこうなるんです
♪くまの子みていた かくれんぼー おしりを だした子 ザッ!
内田ライト恭子
件のカップヌードルライトの CM においては内田恭子さんもまた見事な脱皮っぷりを披露しているわけですけども、新成人・戸田恵梨香さんとのツートップっつー、ややもすると罰ゲームと認識されかねないポジションに、果敢にも、というよりはむしろわりとストンと収まった雰囲気すら漂わせるあたりお見事と言わざるをえなくて、さすが画面の調和を担う女子アナウンサー出身、これぞ匠の技だなあと素直に思いますホント。説得力のあるプロポーションを維持していることも含めてウッチーはすごい。もし僕が(内田さんと同じ76年組の)山本モナさんだったらこんなもん見せられた日には完全に三晩ほど飲み明かしてると思います。
あとこの内田恭子さんという人は未だに彼女を追随する素材が現れる気配すら感じない、具体的にはこの平成時代に唯一広く大衆に受け入れられた「カバ顔の美人」だと思っていて、つまり今回の裏コンセプトはカバヌードです多分。一説には動物界最強ともいわれるヒポポタマスを引っ張り出した即席麺チャンプ・日清食品の天下は未来永劫安泰といえるのではないでしょうか。以上よろしくお願いします。
関連
戸田ライト恵梨香
全国のぽっちゃりさんの救世主、なんとわずか 198kcal の即席麺・カップヌードルライトの CM で豪快に衣服を脱ぎ捨てている戸田恵梨香さんについては嗚呼むべなるかなという感じで、これはもう「エ」と「ロ」がたくさん隠されている「戸田」という苗字を背負った人間の宿命というか、同年代の女優さんたちと比べて大衆が彼女に求めるベクトルもややエロ寄りになるのは自然な流れだし、とはいえエロを補って余りある(?)清潔感をあわせ持った戸田さんだからこそなしえた今回の脱ぎっぷりだったとも言えるわけで、今この時代にこの CM を演れるのは彼女しかいなかった。そう断言できるんじゃないかと思うわけです。
- 直立(イチ)
- もぞもぞとかがむ(キュー)
- 脱ぐ(パッ!)
そうはいっても「必然性がないなら脱がない」のが女優ワールドの不文律ですから、いくらカップヌードルがライトになった! ということを表現する
ためとはいえ、ただ単に「ほら脱いで!」じゃストーリーもへったくれもないわけで、それだけで戸田さんサイドから OK が出たとはとても思えません。そういう目線でじっと分析すると、やはりかなり練りに練った演出になっていて、具体的には新商品のウリである 198kcal を戸田さんのセリフやナレーションで何度も強調するだけでなく、脱衣のモーションにもきちんと取り入れるという念の入れようで、書いたの誰だか知らないスけどまさにいぶし銀の脚本と言えるのではないでしょうか。そりゃ脱ぐよ。パーフェクト・ストーリーだもん。なんとしても俺のホンで恵梨香を脱がせてみせるという執念は脱衣麻雀職人と遜色ないと思いますね。ホントお前はよくやった。今度一緒に二郎行こうぜ。
決意はヘビー
Wikipedia にも同様の記述がありますけども、基本カップヌードルってのは「ヌード」と距離を置いて販売されてきた商品ということが一部では知られていたり知られていなかったりするわけです。
そこへきて今回の戸田恵梨香さんですから、「むしろエリカのヌードを連想しながらすすれ!」という裸麺精神は、これまでのカップヌードルの穏健路線からは確実に一線を画すインパクトに重きを置いた戦略であることは明らかで、日清食品のマジっぷりがビンビン伝わってくる気がします。そういう意味でも2009年最も印象的な CM 候補に早くも名乗りをあげたことは間違いないでしょう。
あとここまで書いてきて正直なところ「上付きヌードル恵梨香」っつー最低のフレーズも正直思いついちゃったりなんかしてるんですが、収拾がつかなくなる前にスタジオにお返ししておこうと思います。
はじめての宇都宮で半日餃子ツアーの巻
いざ宇都宮
昨年末の M-1 グランプリで U字工事によって一躍脚光を浴びた北関東の流刑地・栃木に行ってみようと思ったんです。わりとふいに。じゃあどこにって、うーん日光は小学生の頃行ったし、ならここは宇都宮かなと。「トシ、餃子食うか?」と。僕は神奈川生まれの東京住まいなんですけども、それこそ今までに北海道や沖縄に行った回数を足すと群馬栃木茨城のそれよりずっと多いという、典型的な南関東(かつ HIP-HOP)育ちでして、正直この地球号関東支部の一員としては褒められるようなパフォーマンスは発揮できていなかったし、むしろ白地図をそらで埋めていったときに栃木と茨城を最後まで残してしまう自信すらあるわけで、これでは天国の親父に申し訳が立たないと一念発起。マジカルバナナを20回やったら20回とも「宇都宮といったら宇都宮ラッパー」という返ししか思いつかない自分を CHANGE するために、よりにもよって大晦日をチョイスし、美味しい餃子を求めて一人電車に乗り込んだのでした。
1軒目:みんみん
午前10時に宇都宮に到着するなり駆け込んだのは『みんみん』。みんみんって響きにはどことなくビビアン・スーを思い出させる力があります。かつて僕たちが愛したビビアン・スーとは何だったのか。ずいぶん前の韓流ブームにせよ、少々前のなまりブームにせよ、つい最近のおばかブームにせよ、その全てはかつてビビアンが切り開いた道筋をちょっと味付けを変えつつなぞっただけのものだと思っているし、その他にも「実は楽屋では日本語ペラペラ」というキャラ付けは安田大サーカスのクロちゃんも大いに参考としたに違いないし、めっきり姿を見なくなったとはいえ、今でもビビアンの影響はテレビのそこかしこに見受けられます。どうやら現在はタイミングを母国・台湾に見出して活躍中のようですが、彼女が日本に残した足跡の大きさは計り知れないし、もっともっと評価されてよいのではないでしょうか。それにしても、僕自身ビビアン・スーにはこれっぽっちも思い入れがないのですが、意外と色々書けるものですね。ここで食べられるのはそういう餃子です。
2軒目:宇都宮餃子館
休憩なしでそのまま『宇都宮餃子館』へ。じゃあだって宇都宮に餃子を食べにきているのに宇都宮餃子館へ立ち寄らない、というシナリオをあなたは描けるのかっていう話ですよ。王道を外すことがツウみたいな世の中は本当に変えてやりたいと思っていて、そして何よりも2009年は「チェリー☆パイ」をどう受け止めるべきなのか問題がいよいよ本格化してくるわけじゃないですか。どこまで本気で鼻を伸ばして前のめりになっていいのか、日本中の男子が空気を読もうと必死なんですよ。だって一歩でも間違えたら周囲からの大失笑大確定なわけで、ギリギリの攻防という意味では HALCALI 以来と言ってもいいですし、特に思春期な世代にとっては今後の学生生活に重大な影響が出かねないビッグな分岐点なわけで、このチョイスをミスったらあの娘が「物好きが好きなヤツ」のレッテルを貼られてしまうことになり、手をつないで登校することはおろか、上履きを隠された末に帰りの会が長引く可能性が飛躍的に増大することうけあいです。ここで食べられるのはそういう餃子です。
3軒目:正嗣
午後1時30分の開店を待って餃子専門店は『正嗣(まさし)』へ。世に星の数ほどある専門店の中でも本当にソレしか出さない! という姿勢を貫いているお店もまた数多あるとはいえ、「ビールもご飯もメニューになし!」という横暴なアティチュードはビールのダーリン・ご飯のハニーとも呼ばれる当の餃子の完成度が極限にまで達しているがゆえに拷問に等しいといってもよく、大晦日にできた行列はみな苦行僧のような面持ちでした。美味しい、美味しいがゆえにご飯が欲しくなる、しかしそのご飯がない。少し表現の仕方を変えると、本番のみで構成されたオムニバス DVD が決してメインストリームたりえないことを身をもって世に問うているお店、それが正嗣と言えるのではないでしょうか。たとえ途中でニュースをお送りされたとしても前戯シーンは必要だと思いますし、あとはっきりさせおきたいんですが、大沢あかねをあえて一言で例えるなら「企画モノ」ではないでしょうか。バドミントン選手だとオグじゃなくシオの方です。ここで食べられるのはそういう餃子です。